DX人材について考える🤔

YOASOBIの「夜に駆ける」って曲にハマっている今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

あの曲の芸術的な旋律(←なんて表現したらいいか分からず笑)に惹きこまれたのが始まりでしたが、意味深な歌詞も世界中の人を魅了するポイントかもしれませんね。私はハッピーエンドが好きなので、あの曲に出てくる2人はきっと、汚い面もあるこの世界にも何かしらの希望を互いに見出し、手を取り合って生きていくことを決意したと信じていたいです。(素直に歌詞を追ってくとそうは読み取りにくいのが儚いですが・・)

 

さて、冒頭から脱線しましたが、最近流行っているデジタル人材、DX人材という言葉。要はデジタル技術を活用し、業務改善(ここでいう改善は、単なる効率化からビジネスモデルの転換まで、様々な規模が有り得ます)を図れる人のことですが、こういった人材はどうやって育てるのか、デジタル庁新設も決定された今、社会で最も大きな課題の一つと言えるでしょう。

今回読んだ本『DX人材の教科書』は企業等に研修やコンサルテーションのサービスを提供している起業家が書いていることもあり、ビジネス現場とエンジニアをいかに繋ぎ、消費者目線に即したビジネス改善ができるようにするかのマインドセット、DX人材の要件のようなことは書いてあったのですが、では具体的にどうやって人材育成をすれば良いかという観点の気づきは少し薄かったように思います。そこまで書いちゃうとサービスが成り立たなく虞もあるので、当然かもしれませんが。

(特定の問題意識を持って本を読むことが多いので、それが読後に解決できてないとモヤモヤしますね・・だから自分は小説の方が合ってるな~とつくづく思います・・)

 

私がこの本から引き出したかった問題意識はずばり「リカレント教育」にあります。

ジョブ型雇用という言葉が浸透してきてはいますが、多くの社員の生活を守らなければいけない日本の大企業は新卒、終身雇用をそう簡単には止められないのが現実です。そして大企業の雇用形態が変わらない限り、その大企業に影響を受けてあらゆる意思決定をせざるを得ない中小企業含め産業界の抜本的改革にはなりません。

したがって、多くの人が学部卒で就職し、社会人になってから何かの勉強をし直したいと思ったら企業内研修を受けるか、自腹でプライベート時間を使って学ぶしかありません。たまに優良企業だとMBAをとるための海外留学なら送り出してくれたりする企業もありますが、経営学だけではDX人材になれませんよね。。

 

『DX人材の教科書』にも書いてありましたが、企業はDX人材の育て方が分からないからといって現役社員への投資を惜しみ、これからの時代に必要なスキルを新卒学生に全て期待するのは間違いです。大学だって、ビジネス現場で発揮できるDXスキルは産業界と協力していかなければ追求しきれないでしょう。

DX人材として活躍したい、学部時代では十分学びきれなかったスキルを習得してキャリアアップを図りたい社員は多くいるはずです。そういった社員のやる気を削がず、個人のキャリアプランに合った再教育が長期的には企業にもプラスの効果をもたらすことを信じるべきと思うのです。(どうしても効果が表れるまではコストに感じるでしょうが、教育は長期的目線でしか効果を得られないのが実情です)

 

つまりは、「リカレント教育」に対する産業界の意識改革ですね。最初はフルタイムとは言わずとも業務後の大学院通学・通信制受講で、また企業からの学費支援もなしから始めてみても良いと思います。今でもアンテナの高い人は自腹で大学院に通っていたりするので(かなりストイックで尊敬を通り越して敬遠されてしまう人種かもしれませんが・・)、企業側が積極的に後押しの声を上げてあげるだけで踏み出せる人は多いのではないでしょうか。特に大企業は十二分の給料があって自己投資に使えるだけの貯蓄が若手社員のうちからある人も多いので。(私自身も二年程ですがいわゆる大企業に勤めていたこともあり、特に出費を意識せず生活していてもそれなりに貯まった方だと思います)

 

勿論、リテラシーレベルであれば企業内研修で済むのではないか、実際企業向けに研修サービスを提供している企業はあるのだし・・と思われるかもしれません。ただ、「その程度」で本当に大丈夫でしょうか。

昨年度から、全ての大学生が身に着けるべき数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベルの素養を身に着けさせるためのプログラムを開講する大学の認定制度というのが始まり、関連事業に年間10億円規模で文部科学省が予算をつけていたりもします。そのような現状を見ていて、企業がつけ刃の研修を始めたところで、本当に業務改善が図れるレベルの知識・素養が身に着けられるのかは疑問です。(少なくとも私が経験した大企業の研修では、プログラミングの基本的コードの書き方、デザイン思考を題材にしたワークショップ体験ができる程度のもので、あまりその後に繋がるものが得られたという気はしません)

また、欧米では修士・博士が当たり前と言われていますが、それは学部は教養課程で、専門性はそのあと身に着けるべきものという考えが強いためです。日本の大学も(文系は特に)殆ど勉強せずとも学士取得はできるのですから、その後どこかのタイミングで修士・博士レベルの専門性を身に着ける機会が与えられなければ同じ土俵で国際競争に勝てるわけありません。

 

最初は自腹で、業務後の時間を使ってというところからかもしれませんが、やはり一定の効果を感じられるようになってきたらゆくゆくはフルタイムで、また企業から生活上の保障も受けながら再教育を受けられるのが理想です。専門性は「ながらやり」ではなんだかんだ身に付きませんし、そんなタフな人も珍しいでしょうから。

まずは、どうやったら大企業のおっちゃんのマインドを変えられるかが一番の問題でしょうね。。私も中にいる時その問題はトライできませんでした(というか再教育の価値って自身の体験を以てじゃないと中々語りにくいんですよね・・なので私もここまで偉そうなこと言いながら果たしてその効果如何ってところは説得力を以て説明できないと思います)。

他人事な言い方になってしまいますが、企業マインドがこのまま変われなければどんどん競争に負けていって50年後、100年後のスパンで考えたら大企業といえど消えていってしまうのかもしれません。まあそれも栄枯盛衰というのであれば、受け入れられないこともないかもしれませんね。

 

最近流行りのテーマとしてDX人材を考えてみたものの、私自身「どげんかせんといかん!!」って程の熱量を感じてないので、若干ドライな文章になってしまった気がします😅日本ひいては人類の進歩のためには重要なテーマであるものの、今すぐ目の前で困っている人が出てくる話でもないからかもしれません。

ともあれ、教育の側面から考えるとDXに限らず様々な分野でリカレント教育の重要性は語れるものだと思っているので、企業の人材育成は適宜高等教育とも連携しつつどうあるべきなのか、今後も考えていきたいです。

では来週も頑張りましょう✊

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